【コラム】文字が読めるだけではだめ?読解力をつけるには?
2025年12月17日

▷ 文を読んでも内容が理解できないようです。どうしたらよいでしょうか?
▷ 自分から進んで本を読もうとしないのはどうしてでしょうか?
よくいただくお悩みです。
一般的に「ひらがなの読み書きができる」=「ひらがなで書かれた文章が理解できる」と考えられがちですが、本当にそうでしょうか?
例えば、ひらがなが読めるようになったばかりの子どもが
「い・え・の・ま・え・に・し・ろ・い・い・ぬ・が・い・ま・し・た」
と、たどたどしくも正しく声に出して読めたとします。
しかし、その子に
「今読んだところにはどんなことが書いてあったの?」と尋ねると
「わからない・・・」と答えることがあります。
これは、一つひとつの文字を読んでいるだけで、「家の前に白い犬がいました」という意味を理解していないためです。
1 文字が読める
↓
2 単語が読める
↓
3 文が読める
↓
4 文章が読める
↓
5 本が読める
人はこのように、段階を経て「ひらがなで書かれたお話が読める」ようになっていきます。
つまり、ひらがなが読めるようになったばかりの子どもが文章を理解できないのは自然なことなのです。
各段階の「読める」とは、どのようなことを指すの?
1 文字が読める
音声で指示されたひらがなを選べること、そして声に出して読めることの両方ができて、初めて「ひらがなが読める」と言えます。
清音が読めるようになったら、濁音と半濁音、さらに拗音も読めるようにしていきましょう。
2 単語が読める
ひらがなの羅列の中から音をつなげ、一つの単語を思い描けるというのが「単語が読める」という状態です。
単語をかたまりとしてすばやく認識できるようにするには語彙を増やすことが大切です。
お子様にいろいろなものの名前を答えさせたり、知らないことばが出てきたら意味を一緒に調べたりすることで、理解を深めていきましょう。
3 文が読める
文を読むということは単語を積み重ねて理解する作業です。
日本語では、「は」、「が」、「も」、「と」などの助詞によって単語と単語をつなげて文を作ります。
助詞でつながった文をまとめて読み、書かれている内容をイメージできるようになると、文の意味を正しく理解できるようになります。
4 文章が読める
文章を読むには複数の文にまたがっている情報を整理して正しく理解する力が必要です。
まずは保護者が、お子様と一緒に文の意味を考えてあげることが大切です。
さらに文と文とのつながりを接続詞から読み取り、指示語が何を指しているのかを理解することができるようになると文章がしっかり読めるようになります。
5 本を楽しむ
物語は複数の文章から成り立っています。
場面の変化や登場人物の気持ちを文章の流れから読み取れるようになると、一冊の本を物語として楽しめるようになります。
サピックスキッズでの取り組み
サピックスキッズでは、年中からひらがなを一文字ずつ学びます。
その際、学んだひらがなを含む単語も一緒に覚えます。
一年をかけてひらがなと単語を身につけ、「文章を読む練習」へステップアップしていきます。
ひらがなを覚え始めるところから本が読めるようになるまでには、いくつもの段階があります。
焦らず、文字から単語へ、単語から文へ、文から文章へ、文章から一冊の本へと少しずつお子様の「読み」の世界を広げていきましょう。
私たちもそのお手伝いをしていきたいと思います。
こぐま会の協力のもと、SAPIXのノウハウを生かし「考える力」「表現する力」を養う小学校受験を目的としないSAPIXの幼児教室です。
現在、東京都に3校舎(代々木・豊洲・お茶の水)展開。
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