【コラム】文章題ができるようになるためには?
2025年6月25日
▷ 計算は得意だけど、文章題になると、途端にできなくなってしまうのですが・・・
▷ 文章題のどこに注目して解いてよいかがわかりません。
SAPIX小学部で授業をしていると、文章題が苦手なお子様をよく見かけます。
また、サピックスキッズを卒業した方からもいただくご相談です。
状況の理解
たとえば、文章題のひとつに植木算があります。
「180mの道路の両側に木を12mおきに端から端まで植えていきます。木は全部で何本必要でしょう。」という問題です。
この問題に「180÷12=15なので15本」と答える子がいます。
それを聞いて「それは木と木の間の数だよ。道の両端にも木を植える場合、木の本数は15+1=16だから16本だよ」と答える子もいます。
なかには「180×12=2160で、植木算は最後1を足すはずだから2160+1=2161で2161本」と答えてしまう子もいます。
(特に二桁のわり算が苦手な子は、自分ができる計算をしてしまい、このような間違いをすることがあります。)
問題文を正確に理解したお子様は、
「問題文に道路の両側と書いてあるから、片側が16本の場合、両側だと16×2=32の全部で32本だよ」と答えることができます。
しかし初めて出題した場合は、正解者はあまり多くありません。
文章を読んでその状況が理解できていないと、問題に対してどのようにアプローチをすればよいのかわからなくなるのです。
問題に対してのアプローチ
では、状況を正確に理解できるようになるためには、どのようにすればよいのでしょうか。
まずは、少ない場合を考えて実際に調べてみるということがお勧めです。
たとえば、30cmの線を引いて、端から端まで10cmごとに鉛筆を置くには何本の鉛筆が必要か?
線の両側に鉛筆を置くには何本必要かを調べさせています。
すると間は、3つだけで鉛筆は端から端まででは4本必要、両側であればその2倍の8本が必要であることがわかります。
次に、問題文に書いてあることを図に表してみましょう。
最初は実際にかける範囲でまずは試して見て、その後は式と計算だけで解くようにします。
段階を追って解くことによって、頭の中が整理され、何をすればよいのかがわかりやすくなります。
もし、時間があれば実際に道路を歩いて木が植えられている様子を観察し、
木の本数と間の数の関係を考えてみるのもよいでしょう。
やはり、図にかいたものと実際に目で見たものとでは、心に残る印象が違います。
実体験から膨らむイメージ
また、実際に体験することにより、問題文の状況をリアルにイメージしやすくなります。
サピックスキッズの授業でも、お買い物ごっこやパーティーごっこをすることがあります。
たとえば、10個のおはじきを渡しておはじきの数だけお買い物をすることでひき算の考え方を学習したり、
パーティーで6人のお友逹に3個ずついちごを配ることでかけ算の学習をしたり、
実際の活動を通じて考えさせることがよくあります。
問題により近いシチュエーションを体験してもらうことで、
ペーパー上の問題でも対処できるだけの力を身に付けることができます。
問題文通りの経験をしたことがない場合でも、似た体験をすることで、問題の意味が理解しやすくなります。
特に幼児期はいきなりペーパー上で問題を解かせようとしても理解が不十分なことが多いです。
知識として知っているだけで、実際に活動の中で問いかけをすると、どうすればよいのか戸惑うお子様もいらっしゃいます。
ワンパターンの知識ではなく、実体験に基づいて意味を理解しようとすることが大切です。
もし、お子様が文章題を理解できないときは、ご家庭でも問題に似たシチュエーションを経験することでイメージできるようになります。
実際にお金でお買い物をしたり、お菓子や果物を配り、全部でいくつかを問いかけたりと工夫次第でご家庭でもできることはたくさんあります。
普段の生活の中でいろいろな経験を積むことが大切です。
一つひとつは小さな経験でも積み重ねることによって、文章題を解く力を付けることができ、
将来的には思考力に繋がります。
現在、東京都に3校舎(代々木・豊洲・お茶の水)展開しています。
対象学年は年中生・年長生で、秋頃から新年中生の募集を開始します。

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